WHITE ALBUM2 幸せの向こう側|AQUAPLUS

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その目的のために 

遅れたので、おざなりに更新。

バトスピ・ダン。
前世の記憶とな!?
ようやく、二人に特殊な力があることに納得した。
剣を出すのとかカッコイイよな!
つか、そんなことよりも華実のバトルが見たいです……。


仮面ライダーW。
新しい敵の登場と共に、フィリップの消された記憶についてなど、
メインのストーリーが進行。
敵の蹴り技がカッコイイ!
生身でライトニングキックが放てるよ!
久しぶりに病んでるキャラだよねー。
なんだか矢車さんを彷彿とさせる感じ(笑)。


ハートキャッチプリキュア。
まんじゅう屋の話。
ゆりさん強いなー。
大切なのは本来の目的。
どんなことがあっても、それを見失わないように。
ムーンライトの復活はあるのだろうか?
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君がいない梅雨 

「けいおん!!」6話を見た。
梅雨の話というより、楽器を大事に思う話かな?

でもねー、修学旅行に行ってるときは全然
楽器の心配とかしてなかったじゃん?
その辺りどうなのかしら?
この話を書くなら、修学旅行のときにも、
そういった台詞を言わせておくべきだと思います。
しかも2日間だったんだぜ……。

唯はいつも家で練習してるってことだったけど、
バンドならメンバー練習の方が大事じゃないのかなぁ……?
なんのための部活なんだよ、っていう(苦笑)。

紬が雨の中、道路で立ってるシーン。
紬はあんな雨の日にどこへ出掛けてたのかしら?
他のみんなは家の中の映像だったから気になった。

スタッフは足が好きなのかしら?
なんか毎話、足元を映すシーンがあるような気がする。
もしかして、キャラの全身を描くより、
足元だけを描く方が作画がラクだからとか?(えー

お話としては見所も多くて面白かった。
ひとつひとつのシーンがどれも楽しい。
ブタの着ぐるみは新たな『負の遺産』になりそうだ(笑)。

己の強さを想いに乗せて 

バトスピ・ダン。
【強襲2】の効果で2回『神造巨兵オリハルコン・ゴレム』を回復し、
続けてアタックすればデッキアウトさせれたんじゃないかな?と思った。


仮面ライダーW。
アクセルがパワーアップする話の後編。
黄色くなるとは思わなかった(笑)。
あの演出のためだけに、黄色のスーツを用意して撮影したのだろうか?
CGで処理できるのかしらね?
つか、あれがマキシマムドライブなのか?
もう少し格好よくしてほしいかも。
玩具のトライアルメモリは売れないと予想する(苦笑)。
出来は良いのだけど、子供にウケるかと言われると難しいかなと。


ハートキャッチプリキュア。
演劇部の話。
キャストが素晴らしい!
このエピソードだけのキャスティングとか勿体ないよっ!
演劇部の話だからベテランの人を使ったのだろうなぁ。

作画は後半が外人さんかな?
明らかに崩れたところがあるので残念だった。
というか、作画監督まで外人さんというのは止めてほしい……。

ストーリーは文句なし。
えりかとの対比とか上手いと思うし、
またひとつ、えりかも成長したんじゃないかな。

そういえば、今回、つぼみはずっと眼鏡をかけてましたね。
眼鏡スキーとしては嬉しかった(笑)。

雨上がりの笑顔 

「けいおん!!」5話を見た。
梓、憂、純の三人の話でしたが、
純にスポットを当てて感想を書くことにします。

梓と憂が寂しさを感じてる中、純だけはマイペース。
純には部に後輩がいるからでしょうかね?
でも純の部活の先輩からはメールとか来ないのよね……。
人数が多くてサバイバルだって言ってたから、親密度はあまり高くないのかも。

わりかし部の中では気を張っているのかもしれない。
だから親しい友人の前では気が抜けるとか?
漫画読んでる時に「友達なくすと思う……」という梓の台詞があったけど、
その辺りまったく気にしてないというか、
梓と憂なら大丈夫みたいな確信があるのだろう。

共通の話題(唯からのメール)で笑い合う二人を見てると、
若干疎外感は感じてるはずなんだよね。
でも、「なに?」と言って二人のところへ転がった時に、
わざと梓にぶつかったりして、
そういう気持ちを悟らせないようにしてる。
早めに寝たのや、唯のベッドで寝たのとかは、
寝たフリだったとも考えられる。

朝、純は二人の間で寝てたけど、あれはベッドから落ちたわけではないし、
寝ボケてたという感じでもなさそう。
二人とは逆に寝てるのはさすがに恥ずかしかったからか?
憂は純が隣で寝てるのを知ってて、
顔を蹴られない姿勢で寝てるように思える。
まぁ、あくまで想像ですが。

三人でセッション。
提案したのは純でした。
漫画を読んでるわけだから退屈はしてないはずなので、
二人を気遣ってという感じかな?
セッション後に唯からメールが来るけど、純も積極的に覗いている。
三人の気持ちが一つになった証拠だろう。

記念写真。
純一人が写るチョコパンゲットの写真と比べるとどうだろう。
嬉しい気持ちは何倍も大きいはず。

バスの階段でつまづくところ。
深い意味はないのかな?

梓と唯を見て。
唯の、自分とは違う梓との接し方に、
自分には無かったものを知る。
純は周りの空気が読める子ゆえに、
一定の距離を保つ傾向がある。
でも唯は深く考えず強引に、それでいて自然に相手との距離を詰めていく。
唯のそんなところに少し憧れを抱く純、って反応だったように思う。

澪の席を探して座ったことからして、純って最初は澪に憧れてた感じだよね。
しっかりしてて、ちゃんと空気を読めるタイプ。

あと、全部のドーナツの味だけは確認したり、
新しい歯磨粉を使おうとしなかったり、
7巻を先に読むことを拒否したりと、
意地になりやすいタイプなのかな?と思いきや、
バッティングセンターではすぐに諦めたりして、
あれ?と思った。


ん、以上。
久しぶりに長くなったなぁ(苦笑)。

復讐の炎は紫に燃えて 

バトスピ・ダン。
強力なコア操作のXレアだなぁ。
転召するに見合う能力はあるかと。
手札を破棄させる効果もあるし。
最近、相手がマインドコントロールを使うことが多いね。
スタッフのオススメカードなのかしら?
今回ってネクサスの効果が全然使われなかったなぁ……。
牽制になるから配置した意味が無いわけではないんだけどさ。


仮面ライダーW。
アクセルがパワーアップする話の前編。
装甲がパージして早く動けるようになるらしい。
ファイズとカブトの中間みたいな感じだね。
Tのメモリは3つ目なのだが……。


ハートキャッチプリキュア。
生徒会長が可愛い服を着る話。
戦闘シーンでいきなり決め台詞を言ったと思ったら、即必殺技に移ってフイタw
まぁ、それで終わりではなかったけれども(苦笑)。
せっかく可愛い服を着たのに、すぐに着替えてしまったのは残念だったような。
道場破り君は、もっと出番があればよかったのに……。
メインは生徒会長だから仕方ないけどねー。
次回は演劇部の人と対決?
どういう経緯でそうなるのだろう……。

お菓子食べ放題 

最速とは2週遅れっぽい「けいおん!!」
4話を見た。
修学旅行の話。
相変わらずの京都。
個人的には沖縄に行ってほしかった。
水着的な意味で!
関係ないけど、私は中学が京都で、高校は北海道だったなぁ。

まとめ役を担う澪を中心にしたお話でしたが、
紬がもう少しフォローするのかと思いきや、全然そんなこともなく、
澪は自由行動の終わりまでずっと気を張ってた感じ。
澪は旅行をちゃんと楽しめたのか不安になるくらいだった。
澪は自分の主張をあんまりしないので、
行きたいところにも行けてなさそうだったしね。
でも、最後の笑顔を見るとそんなことは無く、
ちゃんと楽しめたのだろうと思え安心した。

さわちゃん先生までが自由過ぎるのは問題だと思うんだ(笑)。
こういう先生好きだけど。

紬の中の人は京都の人なんですかね?

お風呂シーンなんだけど、他の生徒は?
団体入浴じゃないのか?と少し疑問に思った。

「豆球消したい……」からの一連の流れが個人的にツボだった(笑)。

帰りは澪と紬に窓際譲ればいいのに……と思った。
ってか、君ら元気だな(笑)。

今回は軽音楽部の話として見るとちょっと微妙だね。
楽器屋のシーンをもう少し長く見せてもよかったと思う。

次回は留守番メンバーの話のようで。
梓に電話したシーンでの向こうの反応とかも描かれるのかしらね?

苦悩する世界 

2ヶ月ぶりかな?

現在も精神的にかなりヤバい。
毎日死んでる感じ?
もうね、家族なんていらないんじゃないかと。
家族の絆とかバキバキ折れまくりですよ。
正直どうにもならない。
詳しく説明するのも面倒なので簡単に言えば、
あと数年で両親は離婚しそうな感じ?
まぁそんなことはどうなろうと構わないが、
私にとばっちりが来るのが苦痛すぎる。
子供が親を決められないのは理不尽じゃね?と思ったり。

うん、近況はそんな感じです。


けいおん!!
3話まで見た。
梓が好きすぎる!(ぉ
軽音部って魅力はあるんだけど、正直難しそうなんだよね。
その辺りのイメージを取り除くようにしないと、
部員は集まらないよなぁと思う。
2話のギターを売る話。
なぜ売った!?と思った。
いや、あまり愛着が無いみたいだから売るのはいいんだけど、
金額がオーバーすぎる……。
あれが5万くらいなら気にならなかったんだけれども……。
3話、『放課後ティータイム』の中の個人とは何かみたいな?
役割というか、ポジションの再確認。
でだ、飼われることになった亀のポジションは?というのが気になった。
まぁわりかしどうでもいいことですが。


ハートキャッチプリキュア。
毎回脚本が素晴らしいのですごく良い。
先週の話は細かい見所が多かった。
今週は当然ながら泣いた。


バトスピがDSで出るとか。
何弾まで収録されるのかしらね?
バシンやダンのアニメキャラと戦えれば良いのだけど……。

運命の季節~春夏秋冬~ 

家に帰ると、見馴れない靴が玄関にあった。
紅葉の友達でも遊びに来ているのだろうか?
「あ、おにぃ! ちょっと話しがあるの」
「ど、どうしたんだ?」
紅葉の様子は妙に深刻だった。
「いいから、こっち!」
「あ、ああ……」
俺は紅葉に引っ張られてリビングへと向かった。

リビングには一人の少女がいた。
「……あ、こんにちは」
立ち上がって挨拶をした少女は、紅葉よりも少し小柄だった。
ショートカットでパッと見かわいらしい顔立ちをしているが、
左目に眼帯をしているためか、どこか儚なげな雰囲気を感じさせた。
「彼女は?」
「あたしのクラスメート、春風すみれちゃん。
あ、おにぃのことは先に話してあるから」
「そっか、じゃあ改めて……紅葉の兄の太陽だ」
「はい、太陽さんとお呼びすればいいですか?」
「ああ、かまわないよ」
軽く自己紹介をして、俺は二人と向かい合うように座る。
「で、相談ていうのは彼女のことか?」
「うん、そうなの。えっと……いいかな?」
紅葉が確認とると、すみれちゃんは小さく頷いた。
「じゃあ話すね……」
紅葉はひと呼吸おいてから、ゆっくりと話し始めた。
「すみれちゃんは普段から大人しい子なのね。
あたしは友達ってほど仲がいいわけじゃなかったんだけど、
ずっと気になってた子ではあったの」
「きっかけが無かったってことか?」
「あはは、まあそんな感じかな」
紅葉は苦笑いをしながら頬をかいた。
「でね、最近すみれちゃんの様子がおかしいことに気付いたの」
「というと?」
「うん、ここからが本題なんだけど……。
最近すみれちゃんがいつも以上に大人しいっていうか、
すごく元気が無かったの。
始めはほら、あの日かなって思ってたんだけど、
今日学園に眼帯つけて登校してきたからビックリして……」
紅葉はつらそうな表情をしていた。
どうやらすみれちゃんには深い事情があるらしい。
しかも、かなり良くない事情が……。
「だから今日思い切って話しかけてみたんだけど……」
「紅葉さん、ここからはわたしが話します」
「すみれちゃん……」
「大丈夫です。これはわたしの問題ですから」
「うん……」
すみれちゃんは俺に向き直ると、淡々とした口調で事情を話してくれた。
その内容に俺は思わず耳を疑った。
父親が失業して酒に溺れるようになったこと。
そして酔って荒れた父親を止めようとしたすみれちゃんは、
左目に大きな怪我を負ったのだと言う。
「幸い失明には至りませんでしたが、視力は大きく落ちるとの診断でした」
「そんな……」
言葉もでなかった。
一見なんでもないような口ぶりだが、
精神的な傷だってあるはずだ。
「だからね、あたし、すみれちゃんを家に泊めようと思うの。
おにぃはどう思う?」
「どうと言われてもなぁ……」
こういう問題に他人の俺たちが関わってもよいものなのか、
すぐに判断はできない。
「すみれちゃん、お母さんは?」
「いません。わたしが生まれてすぐに……」
「じゃあ父親と二人で暮らしてるのか……」
それは現状を考えるとかなり危険なのではないだろうか?
紅葉の言うように、すみれちゃんを家に泊めたほうが安全なのは確かだ。
俺としても、すみれちゃんにこれ以上の怪我は負わせたくないし……。
「わかった、すみれちゃんはしばらく家に泊めることにする。
問題を解決する方法はあとでゆっくり考えよう。
すみれちゃんもそれでいいかな?」
「はい、ご迷惑でなければ……」
「良かった……決まりだね。これからよろしく、すみれちゃん」
「はい、よろしくお願いします、紅葉さん、太陽さん」
すみれちゃんは俺に初めて笑顔を見せた。
そのとき俺は、彼女を守ってあげたいと思った。
「そのためには早めになんとかしないとな……」
「おにぃ、何か言った?」
「いや、なんでもないよ。それより腹減った」
「もう、おにぃってばしょうがないなぁ……。
すぐに作るから待ってて」
「あ、わたしも手伝います」
二人は揃って台所へと向かった。
俺は夕食ができるまで部屋で待つことにした――


――続く――

運命の季節~春夏秋冬~ 

「おにぃ! なにその怪我!?」
帰宅すると、俺の顔を見るなり紅葉が慌てて駆け寄って来た。
「帰りにぶっかった男に殴られた」
「殴り返したりしたの……?」
「いや、俺はなにもしてないよ。それに親切なおっさんに助けてもらった」
「そっか、なら安心。さ、怪我見せて」
紅葉がソファーに座るよう促す。
「悪いな、この前といい心配させて……」
「そんなこと気にしなくていいよ。心配だけなら毎日してるしね」
「それは俺が頼りないってことか?」
実を言うと、そうなんじゃないかという自覚はあったりするのだが……。
「……違うよ、好きだから心配してるの」
傷口に紅葉の唇が触れた。
「っ……!」
チクりとした痛みと共に、甘い刺激が襲う。
「ん……ちゅ、れろっ……」
「く、紅葉!」
そのまま舌で舐められ、俺は激しく狼狽する。
「……駄目だよ、怪我人はおとなしくしてないと。ちゅ……あ……ん」
紅葉は俺の唇に唇を重ねながら体重をかけ、
俺はソファーに押し倒された。
紅葉は俺に腹の上に馬乗りになってキスを続ける。
俺は目を閉じてそれを受け入れた……。

「おにぃ……怒ってる?」
すべてが終わったあと、紅葉が控え目に訊ねてきた。
「怒ってなんかないよ。受け入れたのは俺自身だしな……。
でもどうしてなんだ? 俺たちは兄妹でいようってことだっだろ?」
去年の秋、俺たちは一度だけ愛を確かめ合った。
でも、それは恋人ではなく兄妹になるためだ。
「おにぃ、帰ってきたときつらそうな顔してた。
最初は怪我のせいかなって思ってたけど。
……本当は真白さんと何かあったんでしょ?」
「それは否定しないけど……」
「あたしね、おにぃに恋人ができたって聞いてショックだった。
大丈夫だと思ってたけど……やっぱりダメだったの。
それで今日のおにぃを見てたら我慢できなくなって……」
紅葉の気持ちは俺にもわかる。
もし紅葉に恋人ができたとき、俺は平気だと言える自信はない。
同じ状況になれば同じことをしたかもしれない……。
「紅葉……俺は今でも紅葉が好きだ。
だから、今日のことを悪いとも思わないし、後悔もしない。
でもこれから先は……」
言いかけて、それ以上の言葉が続かなかった。
これから先、俺はどうするべきなんだろうか?
「わかってる。おにぃも迷ってるんだよね……?
でもね、あたしはおにぃがどんな答えを出しても受け入れるよ」
「……ありがとう、紅葉」
今はその言葉だけで精一杯だった。

夜になって真白からメールが届いた。
そこには短く『ごめんね、ありがとう』とだけ書かれていた。
俺は悩んだ末に『淋しいときはいつでもメールしてくれ』と書いて送信した。
俺は真白のために何をしてやれるのか……。
それはまだわからない。
それに紅葉のこともある。
友達でも兄妹でも恋人でもいられないなら、
いったい俺はどうすればいいのだろうか?
答えは……まだ出せない――


――続く――

運命の季節~春夏秋冬~ 

次の日から、紅葉は俺のことを『おにぃ』と呼ぶようになった。
理由を訊くと、「より親しみを込めて」だそうだ。
俺たちは表面上は仲のよい兄妹だが、本当の気持ちは別にある。
それでも俺たちは兄妹でい続けようと決めた。
俺たちはまだまだ子供だから。
そう言い聞かせて……。
「いや、本当は逃げているだけなのかもしれないな……」
紅葉のことも、真白のことも。
俺は最後の一歩手前で踏み出せない臆病者なんだ……。

沈んだ気持ちのまま放課後になった。
頭の中では真白のことが繰り返し思い出される。
視線は下を向いたまま、足取りも重い。
「はあ……」
時折ため息が洩れる。
考えたところで、なにも解決はしないというのに……。
「っ――と……」
肩に軽い衝撃を感じたので顔を上げると、
どうやら向こうから来た人とぶつかったらしい。
「ってえだろうが! ああ!」
「すみません、ボーっとしてたもので……」
しまった……やっかいな奴に絡まれたかもしれない。
「ボーっとしてただと!? ふざけんな! オラ、慰謝料だせよ!」
「今はこれだけしかない」
男に財布ごと投げて渡す。
中には500玉が入っているだけだ。
俺は学園に持っていく財布は別にしてあるのだった。
「テメェ、舐めてんのかっ!」
「ガッ……!」
男は俺の財布を地面に叩きつけると、思いきり頬を殴ってきた。
口の中に鉄の味が広がる……。
「オラァッ!」
「グハッ! ゲホッ……」
立て続けに暴行される。
だが、俺は抵抗することなく黙って殴られた。
こういう奴は下手に刺激しないほうがいい。
「シカトか、テメェ!?」
男が大きく腕を振り上げた。
これはもらうとヤバそうだ……。
「その辺にしときな小僧」
「ああん!?」
病院行きを覚悟したとき、男の腕が後ろから掴まれた。
「なんだオッサン! 邪魔すんなッ!」
男は腕を振り払おうとするが、掴まれた腕はびくともしない。
「いいから止めとけ。……死にたいか?」
「ひっ……!」
男の顔が一瞬にして恐怖に歪んだ。
無理もない、俺すら今の言葉には本気の殺気を感じたぐらいだ。
男は腕を開放されると、一目散に逃げ出した。
「ほら、大丈夫か?」
男を追い払った40代くらいの男性が手を差し出す。
そこにはもう先ほどの殺気は感じられなかった。
「あ、ありがとうございました」
「気をつけな。最近のガキは加減ってものを知らないねぇからな」
「は、はい」
怖そうに見えたが、思ったより優しい人のようだ。
「お前、名前は? 俺は雪白堅治ってんだが」
「あ、俺は夏目太陽です」
「ふっ、太陽か、いい名前だな」
堅治と名乗った男性はニヤリと笑った。
「ど、どうも……」
よくわからないが、俺は気に入られたのだろうか?
「っと、そろそろ行かねえと。じゃあな、太陽」
「あ、はい。本当にありがとうございました」
堅治さんは後ろ手を振って去って行った。
「な、なんだったんだ……」
俺を助けてくれたし、悪い人ではないみたいだけど……。
それに、雰囲気が誰かに似ているような気がする。
「痛っ……!」
それにしても酷い怪我だ。
帰ったらまた紅葉に怒られるんだろう。
それがちょっと憂鬱だった――


――続く――

運命の季節~春夏秋冬~ 

「お兄ちゃん、入っていいかな?」
控えめなノックのあと、紅葉の声が聞こえてきた。
俺は短く返事をすると、紅葉を部屋の中へと招いた。
思えば、紅葉を自分の部屋に入れたのは今回が初めてだった。
それ以前に、女の子を入れたこと自体が初めてなのだけど……。
俺はできることなら逃げ出したいくらい緊張していた。
だが、紅葉を呼んだのは俺自身だ。
紅葉には言わなければならない言葉がある。
だから俺が逃げ出すわけにはいかない。
俺は自分にそう言い聞かせて、ゆっくりと口を開く。
「紅葉……ありがとな」
「お兄ちゃん?」
「嬉しかったんだ、紅葉に言われたこと。
俺、ずっと紅葉に嫌われてるんじゃないかって思ってたから……」
紅葉は一緒に暮らすようになってからしばらくして、俺を避けるようになった。
理由を訊いたことはない。
ずっと怖くて訊けなかった。
紅葉は俺が初めて存在を意識した異性で、そんな異性に対する緊張と不安が、
情けなくも俺を臆病にしていたのだ……。
「あたし、お兄ちゃんを嫌ったりなんてしてないよ。むしろその逆なの」
「逆?」
「うん……あたし、お兄ちゃんのことが異性として好きなの」
「なっ……!」
紅葉の告白に、俺の心拍数が跳ね上がった。
「初めは一目惚れ……かな? 優しそうな人だなって思って。
それから一緒に暮らしていく内に、
どんどんお兄ちゃんに惹かれてる自分に気付いたの」
紅葉は俯いて両手を膝の上で握りしめた。
「兄妹なんだからいけないってわかってる。
だからお兄ちゃんを避けるようになった。
でもダメだった……。
お兄ちゃんにあたしを見てほしい。
あたしを好きになってほしい」
「紅葉……」
「ごめんね、お兄ちゃん……。あたし、悪い妹だよね……」
紅葉の拳の上に涙が落ちた。
「そんなことないさ」
俺は紅葉の頭を撫でてやる。
「悪いのは俺のほうだ。ごめんな……紅葉の気持ちに気付けなくて」
「お兄ちゃん……」
紅葉の涙に濡れた瞳が俺を見つめる。
俺は思わず紅葉を抱きしめていた。
「紅葉は俺の妹だけど、俺はそれ以上に紅葉のことが好きだ」
「うん……」
紅葉は俺の胸に顔を埋めると、小さく頷いた。
「お兄ちゃん……今日だけは、あたしを妹じゃなくて、
秋山紅葉として見てほしいの。
そしたら、明日からはちゃんと兄妹になれると思うから……」
「ああ、わかった……」
俺は紅葉の願い受け入れた。
それは俺も望んでいたことだったから――


――続く――

運命の季節~春夏秋冬~ 

俺が星川学園に入学してから最初の夏が過ぎた。
それは紅葉が妹になってから、ちょうど一年が経ったということでもある。
だがいくら戸籍上は妹だとしても、しょせんはひとつ年下の少女にすぎない。
まったく知らない異性がいきなり一緒に住むことになる。
それは父親が再婚すること、相手の女性が自分の母親になることよりも
遥かに戸惑いが大きかった。
そのため、俺と紅葉の関係は、一年経ってもギクシャクしたままだった。
そんなある日、俺たちの関係を大きく変える出来事が起きた。
「転勤って本当なのか?」
「ああ、最初は断ったんだが、今より給料が増えるからと言われてな……」
「紅葉にもこれからお金が必要になってくるし、
それならって話し合って決めたことなの」
「そうか……」
家族が増えてから生活が苦しくなったことは否定できない。
別に今の生活に不満があるわけではないが、
親としては少しでも豊かな家庭をと思っているのだろう。
「そこでだ、お前も紅葉ももう自分で決められる年頃だ、
どうしたいか希望を聞いておこうと思うんだが……」
「母さんはお父さんと一緒に行こうと思ってるの」
まぁ、再婚したばかりで単身赴任させるのは不憫だろうし、
そうしたほうがいいだろう。
俺はどうするか……いや、答えはもう決まってる。
「俺はここに残るよ」
「太陽……」
「ごめん……でも俺、この町が好きだし、学園もやめたくないんだ」
「頑張って受験して入った学園だものね……。
ここは太陽の気持ちを尊重してあげましょう?」
「そうだな、無理に一緒に行くこともないだろう」
「ありがとう父さん、母さん」
「紅葉はどうする? 一緒に行くか?」
「えっ……あ、あたしは……」
「紅葉のしたいようにしていいわよ」
「う、うん……」
しかし紅葉はなかなか答えを出さなかった。
紅葉はなにを迷っているのだろうか?
俺は、迷わず一緒に行くと答えるだろうと思っていた。
ここに残るとなると、必然的に俺と二人暮しをすることになる。
それは今の俺たちの関係を考えれば想像もできない……。
「あたしも、ここに残る」
「紅葉!? ど、どうして……」
両親よりも先に俺のほうが訊ねた。
「あたし、お兄ちゃんと離れたくないの」
「それはどういう……」
「だって、このまま別れちゃったらあたし、
ずっとお兄ちゃんと気まずいままになっちゃう気がするの。
あたし、そんなの嫌だから……」
そんな紅葉の話を聞いて、両親も俺たち二人がこの家に残ることを納得した。
とはいえ、俺は紅葉の本心をちゃんと確かめる必要があった。
これを機に、俺も紅葉とギクシャクしたままの関係を終わりにしたいと思っている。
そして俺は両親が寝た頃を見計らって、
紅葉に部屋に来てもらうように頼んだのだった――


――続く――

運命の季節~春夏秋冬~ 

あのキスから数日。
俺と真白の関係は今までとは少し違っていた。
デレ期とでもいうのか、真白からの直接的な接触が多くなり、
以前とは違って、態度も柔らかくなった。
「どうしたの太陽? 最近ぼーっとすることが多いけど……」
「いや、ちょっとな……」
俺はつい曖昧な返事をしてしまった。
「もしかして、今の私って迷惑かな?」
「そういうわけじゃないんだ。ただ……」
「ただ?」
「まだ自分の気持ちに整理がつかないんだ。
だから真白の気持ちにどう応えればいいのかわからない」
付き合い始めたきっかけが特殊だったのもある。
あのキスだって、一時的な感情に流されただけだ。
俺はまだ、真白を好きだと言い切ることはできなかった。
「なら、少し距離を置いてみない?」
「えっ?」
「ほら、恋人同士しばらく会えないと恋しくなるって言うじゃない。
逆になんとも思わないならそれまでってことになるでしょ?」
「……真白はそれでいいのか?」
真白は俺を必要としている。
俺と会わなくなったら真白は……。
「私なら平気だよ。今までだってひとりだったんだし、
前の生活に戻るだけだから……」
「で、でも!」
「いいから! しばらくはメールだけにする、これで決定」
相変わらず強引に決めて、真白は屋上から去って行った。
ひとり残された俺は、曇って来た空を見上げる。
好きとは言えなくても、俺は真白のそばにいてやりたいと思っている。
でも、それだけでは恋人にはなれない。
そして、好きという気持ちだけでも恋人にはなれないということを、
俺は身をもって知っているのだった。
ふと思い出す。
そう、あれは去年の秋の出来事――


――続く――

運命の季節~春夏秋冬~ 

昨日の最後の言葉は、未だに俺を悩ませていた。
こんな状態で真白に会って、いったいなにを話せばいいというのか……。
それでも約束は約束なので、俺は昼休みの屋上へと足を運んだ。
「今日は私のほうが早かったね」
屋上の扉を開けると、真白がベンチから立ち上がった。
見る限りでは、真白のほうは普段通りのようだ。
「なんか、俺だけ緊張してバカみたいだな……」
「もしかして昨日の電話のこと?」
真白は俺の呟きをちゃっかり聞いていた。
「……まあな」
言った俺の顔は赤くなっていることだろう。
「や、やだなぁ! そんな正直に肯定されると私も恥ずかしくなるでしょ!」
見れば、真白の顔も少し赤くなっていた。
実は真白も、単に平静を装っていただけなのかもしれない。
「そ、そんなことよりお弁当食べよっ!」
真白はいそいそと弁当を広げ始めた。
今日の弁当も手の込んだ作りだった。
「これは朝起きて作ってるのか?」
「そうだよ。と言っても、夕飯の残りも混じってたりするけど……」
真白はちょっと申し訳なさそうに言った。
「そんなことは気にしないって。それに……」
言いかけて、目についた肉じゃがを口に入れる。
しっかり味が染みていて、なおあっさりとした味付けだった。
「なにより美味いしな」
「……ありがと」
真白は照れくさそうに微笑んだ。

「ねぇ、太陽は料理とかってするの?」
弁当を食べ終えた頃、ふいに真白が訊ねてきた。
「ほとんどは妹がしてくれるから、俺はたまに手伝うくらいだな」
「ふーん、妹さんが料理してるんだ。えっと……」
真白が訊きたいことがわかったので、俺から口を開く。
「両親は県外なんだ。仕事の都合ってだけだから深い事情はないよ」
「そっか。私が複雑なもんだからついね……」
そういえば昨日、家ではいつもひとりだとか言ってたな……。
「あんまり訊かないほうがいいか?」
「ううん、別に平気。むしろ太陽には聞いてほしいかな」
「……わかった」
俺が承諾すると、真白は弁当を片付けてから話し始めた。
「私が学園に通いだしてすぐなんだけど、
突然お母さんが死んじゃったんだよね……」
約二年前ってことは、まだ最近の出来事なんだな……。
「そしたら、それから一週間後に今度はクソ親父が失踪しちゃってさ」
「し、失踪!?」
「そ、ちょっと出掛けてくる~とか言ってそのまんま」
母親を失った娘をひとり残して失踪ってのは、
父親としてどうなんだろうか……。
「捜索願いとか出したほうがいいんじゃないのか?」
「それが毎月必要な生活費が口座に振り込まれるのよ。
だからどっかで生きてるってことになるし、死んでないならいいかなーって」
「そ、そういうもんなのか?」
真白があまりにあっさりとしていたので、俺はちょっと拍子抜けした。
「でも帰って来たら問答無用で投げ飛ばすけどね!」
「そ、そうか……」
クソ親父と言うだけはあって、失踪したことへの怒りはあるようだ。
「なんにせよ俺が投げられたのは、そういう事情があったからなんだな」
「そういうこと。まぎらわしいったらありゃしない!」
それは俺のせいじゃないだろ……。
「けど、家事とかひとりで大変じゃないのか?」
俺には紅葉もいるけど、真白の場合は全部自分でしないといけないことになる。
「私は家事するの好きだし、そんなに大変だとは思わないけど?」
「へー、なんか真白って意外に家庭的なんだな」
「意外で悪かったわね」
「違うって、褒めてるんだよ。
俺が真白だったらそんなに明るくは振る舞えないだろうしな……」
ましてや、あんな人の心を温かくするような笑顔はできないと思う。
「それは違うよ。今の私がいるのは、太陽がいてくれるからなの」
「お、俺が?」
思わずドキッとするような瞳で見つめられて戸惑う。
俺は急速に鼓動が速くなっていくのを感じていた。
「うん、太陽の温かい光が私を照らしてくれるから……」
真白の顔がゆっくりと近づいてくる。
俺は身動きも取れずに、ただ真白の潤んだ瞳に惹き込まれていた。
そして静かに、真白の柔らかな唇が触れた……。
「んっ……はぁ……私はこんなにも自分に素直になれる……」
「真白……」
今度は俺のほうから唇を重ねる。
いつの間にか午後の授業が始まっていた。
それでも俺たちは高まる気持ちのまま、お互いの熱を感じ合っていた――


――続く――

運命の季節~春夏秋冬~ 

真白と話していると、すっかり帰るのが遅くなってしまった。
「紅葉に連絡入れておくべきだったな……」
買った携帯はまだ箱の中に入れっぱなしだったりする。
真白とお揃いということで、その場で開けるのは気恥ずかしかったためだ。
真白には番号とアドレスをすでに教えてあるので、
あとで確認の連絡が来るかもしれない。
「さて、紅葉にはなんて言い訳したものか……」
そんなことを考えているうちに家に着いてしまった。
「ま、正直に話せばいいか」
別に隠すようなことでもないしな。
「ただいま」
「おにぃ、遅いよっ!」
「悪い、思ったより時間がかかったんだよ」
「……真白さんと一緒だったからでしょ?」
さすがに鋭い。
「なんでわかったんだ?」
「おにぃから女の人の匂いがするもん」
「その台詞はなんか怖いぞ」
ドラマなら間違いなく刺されるパターンだ。
「あはは、一度言ってみたかったんだもーん」
紅葉はおかしそうに笑った。
「あのなぁ……」
紅葉が本気で怒ってるわけじゃないとわかってホッとする。
「ご飯は食べたの?」
「いや、まだだよ」
「じゃあ、すぐに準備するから待っててね」
紅葉はエプロンをつけると、台所へと向かった。
俺も着替えてくるか……。

紅葉と一緒に夕食を食べたあと、俺は携帯の機能を確認していた。
とはいえ、基本的には前の携帯と変わらなかった。
この分なら、すぐに使い慣れるだろう。
「ん? 電話か……」
着信相手は真白からのようだ。
「もしもし」
「あ、太陽?」
「そうだよ」
「よかった、ちゃんと繋がったわね」
「そりやぁな。で、なにか用か?」
「んー、とりあえず繋がるか確認したかっただけだけど……。
あ、そうだ、明日も昼休み屋上に来るように!」
「ああ、わかった」
「あれ? ずいぶんと素直だね」
「……ったから」
「んー? よく聞こえなかった」
「弁当、美味かったからって言ったんだよ」
「…………」
こんな台詞、電話じゃなかったら絶対言えないな……。
「……太陽」
「な、なんだよ!」
「大好き――」
それだけ言って電話は切れた。
俺はしばらく携帯を持ったまま停止し、
ツーツーという無機質な音を聞き続けていた――


――続く――

運命の季節~春夏秋冬~ 

学園から少し歩けば、大型ショッピングモールがある。
三年ほど前にできたばかりで、基本的にここに来ればなんでもそろう。
娯楽施設も充実しており、映画館やゲームセンターはもちろん、
バッティングセンターや水族館まであるから驚きだ。
そのため、連日隣町からも多くの人が集まる場所になっている。
「相変わらず人が多いなここは……」
「便利だからねー。ここに来れば一日遊べるし」
確かに、ここに来れば退屈することはないだろう。
「今日は遊びに来たわけじゃないけどな」
「うーん、でも一応これって初デートだよねー?」
「デート!? ただの買い物だろ?」
「恋人同士ならただの買い物もデートになるの」
「そ、そういうものなのか……」
俺はまんまと真白のやつにハメられたってことか。
ううっ、デートだと思うと急に緊張してきた……。
「そういえば太陽ってどこの携帯なの」
「あ、ああ……ハードバンクだけど?」
「なんだ一緒じゃない。それならお揃いにしましょう♪」
「そんな恥ずかしいことできるか!」
相変わらず羞恥心のない真白に俺は頭を抱えたくなった。
「あはは、太陽ってホント照れ屋だよねー」
「おまえが気にしなさすぎなんだ!」
「うーん、それはあるかもねー。
あ、ここだね。早く入ろ!」
「お、おい……」
俺は真白に手を引かれながら店内へと入っていった――

その後どうなったかと言うと……。
「結局拒否できなかった……」
俺は真白に言われるまま、色違いの携帯を買うことになった。
「……ふふーん……♪」
真白はさっきからずいぶんとご機嫌だ。
「なあ、真白」
「んー、なに?」
「真白は俺のどこが気に入ったんだ?」
俺はちょうどいい機会なので思い切って訊いてみた。
「うーん、一緒にいて楽しいっていうのが一番かな♪」
真白はちょっと考えてから、本当に楽しそうに言った。
「私って家ではいつもひとりなのよね。
友達も受験勉強で忙しいから退屈でさ……」
「なるほど。でも俺ってそんなに面白いか?」
俺としてはそんなに面白い自信はないんだが……。
「胸は大きさじゃない、重要なのか感度だ!だっけ」
「えっ?」
「あんな台詞を大真面目な顔で言う人なんて太陽ぐらいだと思うけど?」
「いや、あれは……」
失言だと思っていたのだが、まさかそれで気に入られるとは……。
「それにからかいがいがあるし♪」
「本音はそこか!」
「あははは。ま、そういうことよ」
「ったく……振り回される俺はいい迷惑だよ」
俺なんて、しょせんは遊び相手に過ぎないのかもしれないな……。
「……私は、自分の退屈しのぎに太陽を利用してるわけじゃないよ。
本当に好意をもってるから一緒にいたいの……」
「…………」
真白の目は真剣だった。
だからこそ俺はその言葉を信じることができた。
「わかった。別に俺も真白のことが嫌いってわけじゃないしな。
今すぐ別れてくれとは言わないさ」
「うん、ありがとう太陽♪」
真白は今日一番の笑顔を見せた。
この笑顔がある限り、俺は真白のすべてを許せてしまうような気がした――


――続く――

運命の季節~春夏秋冬~ 

時間は嫌でも過ぎて行く。
俺は不安と不安を胸に屋上へと来ていた……。
「真白は……まだ来てないみたいだな」
辺りを見回すが、夏の日差しが照り付ける屋上には誰の姿もなかった。
俺はなるべく日陰になっているベンチへと腰掛ける。
するとちょうど屋上の扉が開き、制服姿の真白が現れた。
「ごめん、待った?」
「いや、なにも期待してないから待ってない。
むしろ来ないことを願ってたぐらいだ」
「うわ、酷っ! 私、すっごい傷ついた……」
俺の皮肉に対して、真白は意外なほどに落ち込んだ。
しまった、ちょっと言い過ぎだったか……。
「あー、腹減ったなぁ。今日は朝食も食べてないし……」
俺はわざとらしく言って、真白に弁当を催促してみた。
「……ぷっ! あはははは!」
「な、なんで笑うんだよ!」
「あははは、ごめん、ごめん。
やっぱり私、太陽のこと好きだなぁ」
「いっ、意味がわからん……!」
いきなり好きとか言われたら恥ずかしいだろうが……!
とは言葉にならなかった。
「まあまあ、時間もなくなってきたし、さっそく食べてもらおうかな」
「あ、ああ……」
広げられた弁当は見た目もよく、量も手頃だった。
問題は味だが……。
「ねぇ、私が食べさせてあげよっか?」
「断る」
「えー、なんでよ! 誰も見てないよ?」
「そういう問題じゃないっての……」
なんでこいつは平気で恥ずかしいことができるんだろうか?
「い、いただきます」
「うん、召し上がれ♪」
俺はとにかく早く食べ終えてしまうことにした。
なにも言わずに黙々と弁当の中身を食べる。
心配していた味は、正直に言って美味かった。
「ごちそうさま」
「味についての感想……は訊くまでもないか」
真白はニコニコと笑って言った。
なんの文句も言えなくてちょっと悔しい。
「まあ、その……美味かった……」
「ふふっ、ありがと♪」
どうも俺は真白の笑顔に弱いらしい。
真白の笑顔には心をくすぐるような温かさが感じられるのだ。
最初はもっと冷たいやつだと思ってたんだけどな……。
「あ、ねえ太陽、新しい携帯まだなんでしょ?」
「ん? ああ、今日の放課後に買いに行くつもりだけど」
「じゃあ一緒に行ってもいい?」
「金は出さないのにか?」
「まあまあ、いいじゃない。ね、ダメ?」
「……別にダメとは言ってない」
「決まりね。ふふっ、放課後が楽しみだなー」
真白は言いながら立ち上がると、屋上をステージにしてくるくると回る。
ひるがえったスカートの中が見えそうで見えないのが残念でならない。
それにしても真白はいったい俺のどこを好きになったのだろうか?
俺はひとり楽しそうに踊る真白を眺めながらそんなことを考えていた――


――続く――

運命の季節~春夏秋冬~ 

「おにぃ、電話ー」
「おー、誰からだ?」
「……例の真白さんって人から」
「わかった……代わってくれ」
携帯が壊れてしまったため、真白には自宅の電話番号を教えていたのだ。
さっきのこともあるし、紅葉に悪いことしたな……。
「はい、太陽ですが……」
「んー? 元気ないね。怪我痛むの?」
「いや、そういうわけじゃないよ」
「そう? ならいいんだけど。あ、さっき出たの妹さん?」
「ああ、まあな」
「ふーん、妹いるんだー」
「そんなことはいいから、なんの用だ?」
今はあまり紅葉のことを話す気分ではなかったので、
俺は話題をそらすように用件を訊ねた。
「あー、えっとね、太陽ってどこ通ってるの?」
「学園か?」
「そうそう」
「俺は星川学園の2年だけど……」
「なんだ、おんなじじゃない。っても私のほうが先輩だけど」
「なっ! そうなのか?」
なんか俺より真白のほうが年上っていうのは認めたくない……。
「ま、そういうことだから、先輩は敬うように!」
ムカッ☆
思わずそんな擬音が出てしまった。
なにか反論しないと気が済まん!
「そういう台詞はもっと乳を大きくしてから言ったらどうだ?」
「投げ飛ばすよ?」
「うぉっ!」
受話器の向こうから殺気が伝わってきた。
声は明るいけど、逆にそれが怖い……。
次に会ったらマジで投げられるかもしれない。
「失言でしたスミマセン……」
俺は情けなく謝った……。
「わかればいいのよ。じゃあ、明日の昼休み屋上ね」
「は? なんで?」
もしかしてそこで投げられるのか?
「お弁当作って行くから」
「べ、弁当?」
「そ、彼女なら彼氏にお弁当ぐらい作るでしょ?」
「ま、まぁ……そういうカップルもいるけど」
「じゃ、そういうことで」
「おい、ちょっと……!」
待て、と言う間もなく切れた……。
あいつ料理なんてできるんだろうか?
俺は明日が……いや、これから先が激しく不安だった――


――続く――

運命の季節~春夏秋冬~ 

「……ただいま」
「あ、おにぃ。おかえりー……ってその怪我どうしたの?」
「ははは、いろいろあったんだよ……」
本当にいろいろとな……。
「とにかく詳しい話はあとで訊くから、まずは怪我見せて」
「これくらいたいしたことないって」
「ダメ! あたしに見せるのが嫌なら病院連れて行くからね!」
「わかった、わかった……」
紅葉のやつは時々強引なところがある。
こういうときは素直に従っておくのが一番だ。
「よし、これで大丈夫」
「サンキュー、紅葉」
看護の道を志すだけあって、紅葉の治療は的確だった。
擦り傷と打撲があるものの、しばらくすれば治るだろう。
「で、なにがあったわけ? まさかケンカ?」
「いや、いきなり投げ飛ばされた」
「……なにそれ?」
「しかもその相手は現在俺の彼女だ」
「全然意味がわからないんですけど……」
うむ、正直俺も未だにわけがわからん。
「えーっと、細かく説明するとだな……」
俺は真白とのいきさつを紅葉に話してやった。
「それホントの話?」
「ウソのようだが本当だ」
「おにぃはそれでいいの?」
「いいってわけではないけど、悪いとも思ってないかな?
ま、何事も諦めが肝心って言うしな」
前向きなようで後ろ向きな答え。
でも今はそうとしか言えなかった。
「俺もまだ真白のことをよく知らないし、先のことはこれから考えるさ」
「ふーん、おにぃがそう言うならあたしは口だししないけどさ……」
紅葉は少し表情を曇らせた。
「どうした紅葉?」
「ん……ちょっと嫉妬かな」
紅葉の目にはうっすらと涙が見えた。
「……ごめんな」
俺はそれ以上はなにも言えなかった――


――続く――

運命の季節~春夏秋冬~ 

麗らかな午後。
俺は人通りの少ない住宅街をのんびりと歩いていた。
空は青く、今日も暑い日差しが降り注いでいる。
「もうすぐ夏本番だなぁ」
なんて呟いてはみたが、どうせ今年の夏も平凡に過ぎて行くのだろう。
「うーむ、せめて今年は海くらいは見ておくべきか……」
近年は海水浴すら行かずにダラダラと夏を終えてしまっている。
来年の受験を考えると、学生として遊べるのは今年だけだ。
やっぱり遊べるときは遊んでおかないと損だろう。
「こんっのっ! くそ親父ーッ!」
「ん?」
突然後ろから響いた怒声に振り返ると、
そのまま世界が半周した。
「ちょっ、まっ!」
俺はかろうじて受け身をとって衝撃を受け流す。
が、コンクリートの地面にたたき付けられた衝撃は受け身など無意味に等しかった。
「ぐっ……が……」
激痛で意識が飛びかける……。
「あ、ごめん。間違えた……」
「…………」
オイ、今なんだって?
上から聞こえてきた言葉の理不尽さに、
失いかけた意識が急速に戻った。
「人を投げ飛ばしておいて、間違えたとは何事だー!」
俺は痛みも忘れて立ち上がると、
俺を投げ飛ばした張本人に詰め寄った。
「だから、人違いだったって言ってるの」
「おまえなぁ……下手すれば大怪我するところだったんだぞ!」
実際、かなりの怪我をしてるし……。
「だって似てたのよ」
「誰に!?」
「私のクソ親父と」
そういや投げ飛ばされる直前にそんな怒声が聞こえたような……。
「どの辺りが似てたんだ?」
「えっと……後ろ姿が……」
「そんだけの理由で俺は投げ飛ばされたのか?」
「そういうことになるわね」
「あのなぁ、せめて確認してから投げろよ……」
「……わかった、次からはそうする。
じゃあ、私はこれで……」
「まてーい!」
俺は立ち去ろうとした女の服をガシッと掴んだ。
「なにするのよ! 服が伸びるでしょ!?」
「そのまま帰ろうとするな!」
「なんでよ。用事は終わったわ」
「俺はまだ終わってない」
「なによ……早くしてくんない?」
なんで被害者の俺より、こいつのほうが態度がデカイんだろうか……。
「せめて名前ぐらいは名乗れ。万が一のために連絡先もだ」
「はぁ……仕方ないわね、冬月真白よ。はい、これが携帯番号」
俺は真白と名乗った女の携帯番号を登録しようとしたのだが……。
「……携帯が壊れてる」
どのボタンを押してもウンともスンともいわない。
「えーっと、もしかして私のせい?」
「まず間違いないな」
あの衝撃なら壊れて当然だろう。
「弁償しないとダメ?」
「ダメ」
俺は即答してやった。
「ごめん、ちょっと今月は金欠で……。
なにか弁償以外のことでチャラにしてくれない?」
「たとえば?」
「うーん、そうね……」
真白はしばらく考えて言う。
「私があんたの彼女になってあげる」
「却下」
またも即答してやった。
「なんでよ! こんな美少女が彼女になってあげるって言ってるのよ!?」
「自分で美少女とか言うなよ……」
まあ、言うだけあって確かにレベルは高いけどな。
「私のなにが不満なの!? もしかして胸!?」
「いや、俺は貧乳でも気にしないが……」
「貧乳って言うなー!」
マジギレされた。
そんなにコンプレックスなら言わなきゃいいのに……。
「真白、胸は大きさじゃない。重要なのは感度だ!」
「…………」
あれ? 俺、間違ったこと言ったか?
「あんた、名前は?」
「ああ、そういえば言ってなかったな。夏目太陽だ」
「暑苦しい名前ね」
「そういうおまえは凍えるような名前だろ」
「ふふっ、それもそうね。じゃあ、これからよろしくね太陽」
「ああ、よろしく……ってなにが?」
つい握手してしまったが、俺には真白の意図がわからない。
「私、あんたのことが気に入ったから付き合うことに決めたわ」
「いや、それは俺が決めることじゃなかったか?」
「とにかく、もう決まったの! 握手したでしょ?」
「そりゃしたけどさ……」
「なら契約成立でしょ?」
「……成立ですね」
「よろしい!」
真白は俺とは対象的に笑顔を浮かべた。
不覚にも俺は、その笑顔を少しだけ可愛いと思ってしまった――

――続く――


一時期ヒマだったので書き始めたもの。
後半になるほど無茶苦茶な展開に……。
微妙に昼ドラっぽい?(苦笑)
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